大洞窟の宿 湯楽亭

お勧め度 ★★★★

【お勧めポイント】
天草に湧く類稀な2種類の温泉とワイルドな大洞窟

【泉質】
①白湯:単純泉(弱アルカリ性 低張性 低温泉)    
②赤湯:含二酸化炭素-ナトリウム – 塩化物・炭酸水素塩温泉(高張性中性高温泉)

【公式Info】
Web:http://yurakutei.jp/
住所:〒869-3602熊本県上天草市大矢野町上5190-2
TEL:0964-56-0536
日本秘湯を守る会:https://www.hitou.or.jp/provider/detail?providerId=666

訪問記

2021年のお盆休みを利用して南九州をぐるっと回った、ほっとすぱ太郎。
指宿から北上し、吹上温泉日奈久温泉を楽しんだ後、今夜は熊本の天草へ向かいます。
熊本には何度か来た事がありますが、初めての天草なので期待に胸が膨らみます。
今回は2種類の源泉掛け流し温泉と大洞窟があり非常にユニークな「大洞窟の宿 湯楽亭」を宿泊先に選びました。

美しい天草の景色

スーパーで晩酌用の焼酎とつまみを買い込み、意気揚々と天草へレンタカーを走らせます。
やがて海が見えて来ると何故かワクワクするのはいくつになっても変わりません。
青い空と海、背の高い島々、島と島を繋ぐ大きな橋、思わず腕を広げて深呼吸したくなる美しい景色が続きます。

天草への玄関口、天門橋展望所

天草の静かな温泉宿

漁港や民家の間を縫うように進み「湯楽亭」に着く頃にはすっかり日が暮れていました。
「意外と遠くて時間が掛かってしまいました〜」
と伝えると、
「まだまだ天草の入り口ですよ〜!!」
と明るいお返事。
確かに地図を見ればここは「上天草」、天草の入口ぐらいの位置です。天草は思ったよりもだいぶ大きいのです。
「湯楽亭」は趣のある和風のお宿で、1人で泊まるにはもったないくらいのお部屋でした。
静かで自然に囲まれた環境はとても落ち着きます。
滞在中は窓際のアームチェアーがお気に入りの場所となりました。

2種類の天然温泉が楽しめる宿

ここ「湯楽亭」は全くと言って良いほど泉質が異なる「赤湯」と「白湯」が楽しめます。
例えば草津温泉では「湯畑源泉」や「煮川源泉」といった異なる源泉を楽しめますが、基本的に酸性・硫黄のお湯で泉質が大きく変わることはありません。
近い場所で近い泉質になるのは普通の事だと思いますが、ここでは見た目にもハッキリと異なる2種の温泉が沸いています。
どちらも源泉掛け流しの新鮮なお湯で、日帰り入浴も可能です。

赤湯

2016年の熊本地震で一度は温泉が出なくなってしまったという赤湯。
しかし再度の採掘で、成分がさらに濃くなって湧き出るという奇跡の復活を遂げています。
「遊離炭酸ガス量が1000ppmを超す炭酸泉」
「炭酸水素イオンが4200ppm
「溶存成分の合計が12,000mg/kg
桁違いの濃度を物語るように、浴槽は原型がわからないくらい析出物でびっしり、貝のようになっています。
中央のパイプからお湯が轟々と音を立てながら吹き出し、浴室にはガスが充満しているのも感じます。

白湯

赤湯とは対照的に白湯は弱アルカリの優しい単純温泉です。
冷鉱泉のため、赤湯と交互に入る事で温冷交代浴ができます。
サウナのように三往復するのが個人的な好みです。
ぬるぬるとした肌触りで美肌効果も期待できそうです。

大洞窟

「赤湯」と「白湯」だけでも素晴らしい温泉でしたが、まだ驚きの温泉は続きます。
看板メニューの「大洞窟」は1番個性的な温泉で、家族全員で機械を使わず手掘りで完成させた全長33mの洞窟風呂です。
洞窟の入口には露天風呂も広がり、まるで冒険のような気分が味わえます。
黒川温泉の「新明館」や湯平温泉の「志美津旅館」など有名な洞窟風呂に入った経験がありますが、
ここ「湯楽亭」はその中でも1番ワイルドな洞窟風呂でしょう。
析出物が痛いくらいにできているので、夜中は視界が悪くちょっと怖いくらいです。
女性やお子様は日が出ている内に行くことをお勧めします。

まとめ

個性的でバリエーションも豊富、他に類のない泉質、「湯楽亭」はまるで贅沢な温泉テーマパークのようでした。
温泉に浸かり、居心地の良いお部屋で天草の静かな夜を感じながらお酒を飲むのも最高のひとときでした。
翌日も朝風呂を楽しみ、チェックアウト時間ギリギリまで滞在を楽しみました。
清々しい気分で次は大分方面へ向かいます。

それでは皆さん良い温泉旅を〜!

ほっとすぱ太郎
  • ほっとすぱ太郎
  • 感動と癒しを求めて休日に温泉巡りをしています。全国津々浦々を1人または2人、時には友人たちと。温泉ソムリエを取得しました。ミニチュアダックスと旅行もします。時には海外も。普段は音響業界で働くただのサラリーマンです。