山鹿温泉「さくら湯」

お勧め度 ★★★★

【お勧めポイント】
九州最大級の木造建築、市民に愛される伝統的な温泉施設

【泉質】
アルカリ性単純温泉(pH9.62)

【公式Info】
Web:https://yamaga.site/?page_id=1548
住所:〒861-0501 熊本県山鹿市山鹿1番地1
TEL:0968-43-0122

訪問記

2021年のお盆休みを利用して南九州をぐるっと回った、ほっとすぱ太郎。
熊本県天草にある大洞窟の宿「湯楽亭」でチェックアウトぎりぎりまで濃い温泉を楽しんだ後は、市民に愛される歴史ある温泉「さくら湯」のある山鹿温泉へ向かいます。

九州最大級の木造温泉

熊本市内からレンタカーで走ること約50分、お昼に食べた熊本ラーメンでまだお腹が膨れているうちに「さくら湯」へ到着しました。
地図に頼るまでもなく公道からすぐにそれだとわかる木造の建物は、なんと九州最大級
入口だけ見れば別府の「竹瓦温泉」と似た唐破風のある玄関ですが、全体のサイズは比較にならないほど大きい印象です。
「さくら湯」の歴史は古く起源は1640年まで遡り、1898年の大改修を経て、1973年には木造の建物を解体、その後はビル内で営業されていましたが、2012年に現在の伝統的な建築様式(1973年以前の姿)で復活を遂げました。

唐破風のある玄関

唐破風(からはふ)と呼ばれる日本特有の建築技法で作られた見事な入口、どこか見覚えがあるなぁと思ったら、
なんと1898年の大改修時に道後温泉の棟梁・坂本又八郎を招いて作られた形が再現されています。
つまり建築物として道後温泉の親戚みたいな関係で面白いですね。
この入口を通るだけでもテンションがあがります。
大人1名350円を支払い、いざ入浴です!

明治〜1958年の浴場を再現

脱衣所を抜け浴槽へ進むと、天井は高く奥行きもあり非常に開放感のある空間が広がります。
20畳ほどのとても大きな浴槽ですが、ここに源泉掛け流しでトロトロの温泉が満ちています。
明治から続いたこの伝統的な浴室は、1958年の時点で改修により失われていましたが2012年に復活を遂げています。
浴槽の中央には大理石の仕切りがありユニークな形をしていますが、この仕切りの中からお湯が湧いています。
写真ではちょうど見えませんが、壁にはレトロな看板も貼ってあります。
この看板がよくあるレトロなレプリカ看板かと思いきや、レトロにデザインされた地元企業の現役の広告でした。
こういった細部にまでデザインが徹底されているのは素晴らしいですね。

静かな温泉地

ゆっくりと温泉を楽しんだ後は山鹿温泉を散歩してみました。
国指定重要文化財の「八千代座」など、歴史ある建物が「さくら湯」の周辺には集まっています。
ふらりと立ち寄った「金剛乗寺」は山鹿温泉で1番古い寺院で、弘法大師が開いたお寺だというのも驚きです。
カフェなども充実しており、昔ながらのお店や隠れ家的におしゃれなお店もあり、ゆっくりと時間が楽しめます。

まとめ

マイナーな温泉地と言っては失礼ですが、前日に訪れた日奈久温泉に続き、こんなに素敵な温泉地がさほど有名にもならず存在しているのは驚きでした。
昭和を再現した建物やテーマパークが各地にありますが、ここではそれが現役で保存または再建されており非常に見事です。
「さくら湯」は地域の人々から愛されて復活、そしてこれからも街の中心で愛され続けるみんなの温泉なんだろうなぁと肌で感じました。そういった環境と街づくりを羨ましいとも思いました。
次はのんびり1泊してみたいなぁと名残惜しいですが、次の目的地である大分県日田市へ向かいます。

それではみなさん良い温泉旅を〜!

ほっとすぱ太郎
  • ほっとすぱ太郎
  • 感動と癒しを求めて休日に温泉巡りをしています。全国津々浦々を1人または2人、時には友人たちと。温泉ソムリエを取得しました。ミニチュアダックスと旅行もします。時には海外も。普段は音響業界で働くただのサラリーマンです。