杖立温泉「元湯」

お勧め度 ★★★★

【お勧めポイント】
山間の鄙びた温泉街で極め付きの共同露天風呂

【泉質】
塩化物泉(弱食塩泉)

【公式Info】
Web:https://tsuetate-onsen.com/Facilities/937
住所:〒869-2503 熊本県阿蘇郡小国町下城4217

訪問記

2021年のお盆休みを利用して南九州をぐるっと回った、ほっとすぱ太郎。
朝一番で天ヶ瀬温泉の「駅前温泉」を楽しんだ後は、杖立温泉へ向かいます。
車でおよそ30分ほどの距離なので、まだ髪の乾かぬ内に次の温泉です。
天気は悪く、ニュースで大雨警報が出るほどの雨が降り始めました。

川端駐車場

杖立温泉は一見すると駐車場が無く不安になりましたが、川沿いに進むと無料の共同駐車場がありました。
温泉街の中心に位置しており、各所へアクセスし易いです。

かつては歓楽地だった温泉街

杖立川を挟んで温泉街が形成されている杖立温泉。
昭和の初めには「九州の奥座敷」と呼ばれ歓楽街として賑わっていたそうです。
今ではそのような派手さは殆ど残っていませんが、むしろ山間の秘境温泉集落といった鄙びた風景が旅情をそそります。

背戸屋

杖立温泉は背戸屋(せどや)と呼ばれる路地裏散歩が人気です。
事前に何も調べずに来たので知りませんでしたが、Twitterのフォロワーさんから「ぜひ行ってみて」とお勧めしてもらいました。
川沿いの温泉街は斜面になっており、まるで迷路のように建物が密集しており、冒険気分で散歩が楽しめます。
1番印象的だったのは無数のパイプ達
恐らく温泉の配管パイプだと思うのですが、手すりなのか配管なのか何なのか、もはやわからないほどの数です。

源泉元湯

出典:https://tsuetate-onsen.com/

一通り散歩を終えた頃には雨足は激しくなっており、傘のない私はすっかり濡れてしまいました。
そこに丁度良く辿り着いたのが杖立温泉「元湯」です。
神功皇后が応神天皇を出産した際、産湯として用いたと伝えられる小さな混浴の露天風呂で利用は無料です。
屋根と囲いはありますが、ほぼオープンな空間なので人が居る時はなかなか勇気が必要な露天風呂でしょう。
コロナ渦でしかも大雨警報が出ていたためか温泉街には殆ど人がおらず、服も濡れているので「今がチャンス!」とばかりに、特に勇気を振り絞ることも無く入れたのはラッキーだったと思います。

出典:https://tsuetate-onsen.com/

眼前を流れる杖立川の川音を聞きながら、独り占めする露天風呂が最高だったのは言うまでもありません。
しかし杖立温泉のお湯はおよそ98度と聞いていた割には、やけにぬる湯でした。
おかしいなと思いよく見てみると蛇口があり、水が出しっぱなしになっていました。
これが通常のスタイルなのでしょうか、それとも誰かが水を止め忘れたのかわかりません。
ちょっと肌寒くなって来たので誰も居ないこともあり、水を止めてお湯が温まるのを待ちました。
結果的に長湯をすることになってしまったのですが、その間も誰1人としてお客さんは来ませんでした。

まとめ

コロナ渦と大雨警報の中で歩き回った杖立温泉でしたが、元湯を長時間、独泉できて貴重な体験だったと思います。
他にも共同浴場はあるのですが、県外はお断りとなっていたのでまたの機会にお楽しみとなりました。
天ヶ瀬温泉ものんびりとして田舎の温泉街という雰囲気でしたが、杖立温泉はさらに鄙びた雰囲気が魅力的です。
訪れた時間は12:00頃でしたがとても静かで、昔話に出てくるような、仙人にでも出会えそうな不思議な空間でした。
「つげ義春の温泉」にも登場する杖立温泉ですが、どこか異世界のように思えてしまうのは本の影響もあったかもしれません。

次回は大分の九重へ向かいます。
それでは皆さん良い温泉旅を〜!

ほっとすぱ太郎
  • ほっとすぱ太郎
  • 感動と癒しを求めて休日に温泉巡りをしています。全国津々浦々を1人または2人、時には友人たちと。温泉ソムリエを取得しました。ミニチュアダックスと旅行もします。時には海外も。普段は音響業界で働くただのサラリーマンです。