鉄輪温泉「谷の湯」

お勧め度 ★★★★

【お勧めポイント】
別府最古の鄙びた共同浴場

【泉質】
ナトリウム‐塩化物泉(弱酸性・低張性・高温泉)

【公式Info】
Web:別府八湯温泉道 https://onsendo.beppu-navi.jp/y143/
住所:〒874-0845 大分県別府市北中 北中公民館

訪問記

2021年のお盆休みを利用して南九州をぐるっと回った、ほっとすぱ太郎。
別府散歩を楽しんだ後は、本日の宿がある鉄輪にやって来ました。
低予算の旅なので湯布院と同じく、鉄輪でもOYOホテルのお世話になります。
鉄輪の中心地にありながら1泊3,650円と高コスパなホテルでした。
早めにチェックインして鉄輪むし湯で汗を流した後は、鉄輪をくまなく散歩することにしました。

湯煙に包まれるレトロな街

平田川(大雨で増水中)

鉄輪は別府八湯の一つに数えられる温泉地で、有名な別府地獄めぐりも鉄輪エリアにあります。
また源泉数・湧出量共に日本一の別府において、その源泉の多くが鉄輪に集中しています。
それだけ湯量が豊富なエリアですが、派手な商業ビルやテナントは無く、湯治場の雰囲気が残る静かな温泉街です。
そこかしこから湯気が立ち昇る景色は、重要文化的景観「別府の湯けむり・温泉地景観」として選定されています。
コロナ禍かつ大雨だったため、歩いている人はほとんど居らず、ビール片手に「このガードレールは渋いな」といった具合に一人旅を楽しみました。こういったマイペースな時間の使い方ができるのが一人旅の魅力です。

別府最古の共同浴場

鉄輪温泉には9か所の共同浴場があり、歩いていると次々に共同温泉が見つけられます。
その中でも1番鄙びていると言って良いであろう温泉がこの「谷の湯」です。
別府最古の共同浴場は、なんと天保時代(1831年~1845年)から続くそうです。
平田川沿いの色褪せた建物は道路より低い位置にあり、半地下のような雰囲気です。
裏路地のさらに裏路地といった目立たない場所にあるため、車で来る場合は注意が必要です。
どの共同浴場に入ろうか迷っていましたが、「谷の湯」を見た瞬間に「ここに入ろう!」と決めました。

不動明王が睨みを利かせる温泉

150円を隣の民家で支払い浴室へ向かいます。
営業時間は6:30~21:30です。
中へ入ると年季の入ったコンクリート打ちっぱなしの床と浴槽シンプルな棚だけの脱衣スペース、5人も入ったら狭く感じるかなといった具合のこじんまりとした浴場です。
道路から下った半地下のような建物でしたが、建物の中は薄暗い洞窟のような雰囲気もあります。
むし湯の直後だったのであまり長湯はできませんでしたが、なかなか熱いお湯で気持ちが良いです。
言うまでも無く、源泉かけ流しの温泉です。
泉質は塩化物泉ですが、弱酸性の塩化物泉は珍しいそうです。
先客が居たため写真撮影はできず残念でしたが、1番面白いと思ったのは浴室内に祀られている不動明王です。
不動明王は湯船に睨みを利かせるように安置されていますが、どこか西郷隆盛にも似て愛嬌も感じられ、何とも言えない雰囲気の入浴体験でした。

まとめ

鉄輪は観光地でありながら鄙びた日常感があり、車では通り抜けづらい細道は散歩にぴったりのエリアだと感じました。
ぐるっと歩いて回るのに15分もかかりませんが、「この道には何があるだろう?」と進んだ先に「谷の湯」のような温泉を発見できて楽しかったです。
別府八湯にはまだまだ知らない温泉が沢山あるので、また別府には必ず遊びに来るでしょう。
明日は宮崎の温泉へ向かいます。
それではみなさん良い温泉旅を〜!

ほっとすぱ太郎
  • ほっとすぱ太郎
  • 感動と癒しを求めて休日に温泉巡りをしています。全国津々浦々を1人または2人、時には友人たちと。温泉ソムリエを取得しました。ミニチュアダックスと旅行もします。時には海外も。普段は音響業界で働くただのサラリーマンです。